夜泣き・寝かしつけで疲れた時の対処法
― 産休・育休中だからこそ知っておきたい、力を抜いて続けるコツ ―

産休や育休に入ると、赤ちゃんとの時間がぐっと増え、「こんな表情するんだ」「今日はこんな成長があった」と、小さな変化を一つひとつ感じられる特別な毎日が始まります。
赤ちゃんの寝顔を眺めているだけで癒されたり、抱っこしていると自然と気持ちが落ち着いたり。
“育児の楽しさ”が一番身近になるのが、この産休・育休の時期かもしれません。
とはいえ、赤ちゃんとの時間が増えるほど向き合う場面も増え、特に多くの家庭が気になるのが「夜泣き」や「寝かしつけ」。
これも成長の証であり、赤ちゃんが毎日新しい刺激を吸収しながら大きくなっているサインでもあります。
このコラムでは、そんな日々をもっとラクに、もっと心地よく過ごすために、産休・育休中だからこそ取り入れやすい夜泣き・寝かしつけのコツをまとめました。
今日からすぐに試せる小さな工夫が、あなたの毎日を少しでも軽く、そしてもっと楽しめるものになりますように。
■ 1.「夜泣きは育児の失敗」ではなく、生理現象と受け止める
まず覚えておきたいのは、夜泣きは親のせいではなく、生まれたばかりの赤ちゃんの脳の発達過程で起こる自然な現象だということです。
新生児期〜生後半年頃までは、赤ちゃんの睡眠リズムは未発達。昼夜の区別や睡眠サイクルが大人とは大きく異なり、短時間の睡眠と覚醒を繰り返します。
このため、「泣かせてしまった…」「寝かしつけが下手なのかな?」と自分を責める必要はありません。
産休や育休は、赤ちゃんと向き合う時間が増え、どうしても「自分の努力不足では?」と感じやすくなります。
けれど、夜泣きは“ママやパパが頑張っていない証拠”ではなく、むしろ赤ちゃんが順調に成長しているサイン。
この視点を持つだけで、気持ちがグッと軽くなります。
■ 2.頑張りすぎを防ぐ「睡眠ルーティン」の作り方
夜泣きそのものをゼロにすることは難しくても、“寝かしつけに入る前の流れ”を整えることで、赤ちゃんが眠りに入りやすくなることがあります。
●(1)夕方以降は刺激を減らす
明るい照明、スマホの光、大きな音は赤ちゃんの脳を覚醒させます。夕方〜夜にかけては
- 部屋のライトをやや暗めに
- テレビや動画を消す
など、生活環境を少し落ち着けるのが効果的です。
●(2)寝る前の合図を作る
毎日同じ流れを繰り返すと、赤ちゃんは「そろそろ寝る時間だ」と理解しやすくなります。
例:お風呂 → 水分補給 → 部屋を暗めにする → 抱っこでゆらゆら → 就寝
●(3)眠くなりすぎる前に寝かしつけに入る
疲れすぎると逆に興奮して眠れなくなるのは赤ちゃんも同じ。
“目をこする・機嫌が急に悪くなる・視線が合わなくなる”などの初期サインが合図です。
小さなルーティンでも、積み重ねれば大きな助けになります。
■ 3.産休・育休だからこそ使ってほしい「助けを借りる選択肢」
産休や育休に入ると、「自分が育児をしなきゃ」とつい気負ってしまいます。でも、休暇は“休むための時間”でもあります。
夜泣きで疲れているときは、遠慮せず人の手を借りてOK。
●(1)パートナーとのシフト制
- 夜は21時〜0時をパパ、0時〜3時をママ、など交代制にする
- どちらかが朝を担当し、もう一方は30分でも仮眠する
短時間でも眠れるだけで、翌日の心の余裕がまったく変わります。
●(2)家事代行や自治体サービスの活用
産後の家庭向け支援はいま各地で拡大しています。
- 産後ヘルパー
- 家事支援サービス
- ファミリーサポート
など、「他人に頼むのは悪いこと」という気持ちは封印しましょう。
●(3)実家・友人の“短時間だけ”サポート
「昼間の1時間だけ抱っこしてもらう」「買い物を頼む」といった“小さな依頼”でも十分に助けになります。
■ 4.疲れ切る前に試したい「心と身体のセルフケア」
睡眠不足が続くと、心の余裕も体力も少しずつ削られていきます。
産休・育休のあいだは、“自分の体を守るケア”が本当に大切です。
●(1)5〜10分の「仮眠」を大切に
赤ちゃんが寝ている間に家事をしようと動きがちですが、優先順位は睡眠>家事。
●(2)温かい飲み物を一杯
夜泣きの合間、ミルクの準備中など、“手持ち無沙汰の30秒”を使って一口だけ飲むだけでもリラックス効果があります。
●(3)外の空気を吸う
ベランダに出る、窓を開ける、昼間の散歩を5分だけする――。
睡眠不足の日こそ、外気と日光が気分を整えてくれます。
●(4)「疲れている」と口にする
言葉に出すだけで、自分の気持ちが整理され、パートナーにも伝わりやすくなります。
我慢し続けることは美徳ではありません。
■ 5.どうしても寝ない夜の「具体的対処法」
夜泣きの場面では、小さな工夫が負担をグッと軽くします。
●(1)抱っこは“疲れにくい姿勢”を
筋力より、姿勢で勝負。
- 座って足を広げ、肘を太ももに置く
- ソファやベッドに背中を預ける
体をなるべく支えなくていい形を作りましょう。
●(2)無理に寝かしつけようとしない
泣き止まないと焦ってしまいますが、数分〜十数分泣いているのはよくあること。
「ちょっとだけ様子を見る」という選択肢もOKです。
●(3)歩きながらの抱っこを“止めてみる”
歩くと寝るという赤ちゃんもいますが、親の体力を消耗しがち。
座りながらの揺れに切り替えたほうが長期的にラクな場合もあります。
●(4)夜泣きアプリやホワイトノイズを活用
扇風機の音、雨の音などは赤ちゃんが落ち着きやすい音といわれています。
スマホアプリや家電で簡単に取り入れられます。
■ 6.「泣き続ける赤ちゃん」を前にしたときの心の守り方
深夜の泣き声ほど、心を圧迫するものはありません。
泣かれると自分が責められているように感じることもあります。
そんなときの心の守り方は、以下の3つです。
●(1)「泣かせてしまった」ではなく「泣いてくれている」と捉える
赤ちゃんが泣くのは、唯一のコミュニケーション手段。
“泣いてもいい場所”である家庭で、思いきり泣けているのはむしろ安心している証拠です。
●(2)一度、赤ちゃんから少し離れる
安全を確保したうえで、
- 30秒だけ深呼吸する
- 洗面所で顔を洗う
- 一口水を飲む
など、ほんの一瞬でも離れることで心が整います。
●(3)「今日は無理」と認める
完璧を目指す必要はありません。
寝ない日があっても、泣き止まない日があっても、それが育児のリアル。
“今日はできる限りやった”と自分に言ってあげてください。
■ 7.悩みが続くときは、専門家や仲間に頼っていい
夜泣きが続いたり、気持ちが落ち込んだり、不安が大きくなってきたら、早めに相談することが大切です。
●利用できる機関の例
- 地域の保健師
- 子育て支援センター
- 小児科
- 産後ケアセンター
- オンライン育児相談
産休・育休中は相談先にアクセスしやすい時期でもあります。
「こんなことで相談してもいいのかな?」と思うような内容でも、遠慮せず頼って大丈夫です。
■ 8.最後に:夜泣きの期間は“確実に終わる”
夜泣きも寝かしつけの苦労も、いまは永遠に続くように思えるかもしれません。
でも実際は、成長と共に必ず落ち着きます。
多くの場合、生後半年〜1歳頃に自然とリズムが整い始めます。
産休や育休中は、赤ちゃんと向き合う時間が長い分、悩みも疲れも深く感じやすくなります。
だけど、その毎日を乗り越えているあなたは、決して弱くないし、十分すぎるほど頑張っています。
眠れない夜の中でも、赤ちゃんを抱きしめているその手、泣き止むまで寄り添っているその姿が、赤ちゃんにとっては何よりの安心です。
どうか自分のペースで、無理なく、ゆるやかに。
夜泣きのつらさをひとつひとつ超えていく中で、親としての自信も少しずつ積み重なっていきます。